主要な著作・翻訳
日本語の著作
『碧い眼の太郎冠者』
中央公論社 1957年
はじめて日本語で書かれた著作。
序文は谷崎潤一郎。
『百代の過客 日記に見る日本人』上・下巻
金関寿夫訳 朝日選書 1984年
交流のあった司馬遼太郎の発言から、朝日新聞社客員編集委員となり生まれた著作。読売文学賞、日本大学大賞受賞。
『能・文楽・歌舞伎』
吉田健一 松宮史郎訳
講談社 2001年
世阿弥、近松門左衛門が大好きだったキーン先生が、文学者の視点から日本の古典芸能を語ります。
『明治天皇』
上・下巻
角地幸男訳 新潮社 2001年
全著作中ベストセラーのひとつ。外国人ならではの視点と切り口が光ります。
『日本文学の歴史』全18巻
中央公論社 1994年
日本人がなしえなかった日本文学通史を、たったひとりで30 年以上をかけて完成させました。
『正岡子規』
角地幸男訳 新潮社 2012年
「現代人」と表現した石川啄木に対し「近代人」とキーン先生が呼んだ正岡子規とは。
『石川啄木』
角地幸男訳 新潮社 2016年
『日本文学撰集』(1954年)で「ローマ字日記」を英訳してから60年後の、研究の集大成。
『このひとすじにつながりて』
金関寿夫訳 朝日文庫 2019年
晩年も常に手元に置いたお気に入りの著作。人生で最も濃密であった頃を中心とした自伝。
『日本文学を読む・日本の面影』
新潮選書 2020年
著作集未収録の、NHKで放送された連続講座『日本の面影』を掲載。
英語の著作(翻訳・編集も含む)
"The Battles of Coxinga : Chikamatsu’s Puppet Play It’s Background and Importance."
London:Taylor's Foreign Press 1951年
初めての著作。近松門左衛門「国姓爺合戦」の英訳と研究。この出版により博士号を取得しました。
"The Japanese Discovery of Europe :Honda Toshiaki and Other Discoverers,1720-1798."
London:Routledge and Kegan Paul 1952年
恩師 角田柳作の教えのもと書いた修士号取得論文(1947) の単行本化。日本語訳は著作集11巻に収録。
"Japanese Literature:An Introduction for Western Readers"
London:John Murray 1953年
1952 年にケンブリッジ大学で行われた日本文学についての連続講義の内容。日本語訳(『日本の文学』1963年) の吉田健一はのち盟友に。
"Anthology of Japanese Literature : From the Earliest Era to the Mid-Nineteenth Century"
New York:Grove Press 1955年
「日本文学選集」古典篇。英訳を依頼し、すべてを編集し、自ら英訳も行いました。初版2,000冊は3か月で重版、現在も版を重ねています。
"Modern Japanese Literature:an anthology"
New York:Grove Press 1956年
「日本文学選集」近現代篇。この本について著作で「50年後の今日でも日本文学を教えている西洋の大学なら、どこでも授業で使われている」と語っています。
"Living Japan"
New York: Doubleday & Company 1959年
親友 永井道雄の助言から生まれました。日本と日本人へ向けた鋭い視線は現在も新鮮さを失っていません。日本語訳『果てしなく美しい日本』講談社学術文庫 2002年
"Major Plays of Chikamatsu"
New York:Columbia University Press 1961年
近松門左衛門浄瑠璃11編を英訳。大好きな「曾根崎心中」は偶然にも日本留学時、250年ぶりに再演されました。
"Essays in Idleness :The Tsurezuregusa of Kenko"
New York:Columbia University Press 1967年
「あたかも自分自身の本を書いているかのように感じ」ながら英訳した2作品のうちのひとつ。もうひとつは太宰治の『斜陽』。対訳版「よりぬき徒然草」講談社インターナショナル 1999。
"World Within Walls : Japanese Literature of the Pre-Modern Era, 1600-1867"
New York:Holt, Rinehart and Winston 1976年
『日本文学の歴史』につながる著作。
"One Hundred Sacks of Rice : a stage play"
Nagaoka City kome Hyappyo Foundation 1998年
長岡市米百俵財団の依頼で山本有三戯曲「米百表」を英訳。これにより長岡市国際親善名誉市民の称号が贈られました。